リチウムイオンバッテリ向けSERROW225を発電を見直す1【電子制御実習】

CO2削減が問われる今日、組込システムの開発において「3相交流発電」という電子制御に対峙することもあろうかと思います。個人的に二輪用リチウムイオンバッテリのジャンクが手に入りました。オートバイは乗用車と違いエンジン自体が発電機でもあります。これを題材に「3相交流発電とその整流」について実習したいと思います。エンジン車でもリチウムイオンバッテリを効率的に使えもっと広まれば、軽量化と長持ちでCO2削減にもつながるかもしれません。

やりたいこと

  • 永久磁石のため電圧しすぎた電気は捨てる、その時のスイッチングによる電圧変動を16V未満に抑える。リチウムイオンバッテリは過電圧に弱いとのこと。
  • なるべく電気を綺麗にする。昔仕事見た車両はノイズが乗ってUSBまで伝わり通信データが化け、PCアプリでエラーが多発し酷い目にあった。
  • 上記に最適と言われる MOSFET 式の電圧レギュレータに換装する。

車両’93 SERROW225W
バッテリタフスターLiFePO4リチウムバッテリー
D45-09-102
電圧レギュレータ新電元工業FH020BA ZX-14R用

オリジナルレギュレータの状態は以下のでした。16Vギリ手前、電気を捨てるときの逆起がでているようです。IDLE時だけかもですが、そんなにひどくは無いように見えます。

なお本実習の材料費は個人持ちです。

オシロでACGの3相交流出力と直流出力を計測します。興味深いことにエンジン始動から段階的に波形が変わります。過去業務でも3相交流は見たことがありません。

①エンジン始動時

3相の波形が沢山見えます。交流の正弦波のマイナス側が見えないのは、レギューレータに吸われているプラス側だけが波形として現れるのですね。直流出力はなだらかに見えますが、MAX値計測では 17.4 Vが出ています。

エンジン始動後しばらく

3相の波形の山がきれいになっていきます。取込む電気が少し減ってきたのでしょう。直流出力はなだらかに見え、MAX値は14.8Vと安定しているようです。

③アイドル安定後

取り込む電気の量が減って、取込んだタイミングでの電圧凸部が目立つようになりました。気になります。

懸念点調査

気になる電圧凸部を詳しく見てみます。電気の取込で3相が重なる部分が顕著に盛り上がり 16V を超えています。8msecくらいの幅ですがバッテリへの悪影響はあるのでしょうか? 3相同時に取り込まず相毎に交互に取り込めばなだらかになる気がしますが、そこまでは制御しないのでしょうね。

尚、電圧レギュレータ出力直後とバッテリ+端子で計測箇所でも様相が変わるようです。両端子間はヒューズしかないハズですが、バッテリ側でコンデンサ効果があるようです。しかし バッテリ側の許容16V に対して余裕がなさすぎです。回転数を上げたときも心配です。

発電制御とは?

具体的にどのような制御が行われているかを知るには、特許情報を読むのが最適です。特許庁サイトで誰でも参照できます。そもそも特許は、申請/侵害だけでなく、技術を広く知らしめる目的があります。権限の切れた特許を活用するのもアリです。「課題問題」を解決する手段が発明となっていることも多々です。文書が独特の記述なので慣れないと読みにくいです。特徴的だった案を列挙しておきます。

特開2005-198426MOSFET 式、銅損鉄損というコトバが登場。電気をACGに戻すとエンジン負荷が急に軽くなり、操安性に影響が出るという一文が興味深い。
特開平11-225446MOSFET 式、取り下げになっている
特開平10-70851非MOSFET 式
JH11225446AACGの回転数も検出しているとのこと。

リップルゆーやスパイク電流の削減については特に触れられていなかかったです。ネット記事でMOSFET 式のネガとしてACG側が熱を持ってしまうとよく記載がありますが、その点の対策についても記載みれらませんでした。


一次トライ&調査は以上です。二次に引き続きます。

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