Raspberry Pi Zero WHに4Gモジュールを接続する2

前回記事

前回ラズパイと4Gモジュールの接続確認を説明しました。今回はインターネット接続まで行います。

① PPP接続準備

まずPPPパッケージ(ドライバ?)を以下のようにインストールします。

$ apt-get install ppp

ppp接続を、APN(インターネットプロバイダ)毎の設定を編集します。ひな形の入手先は忘れましたのでファイル全体をのっけときます。以下太字部をAPNに合わせて変更します。ファイル名はAPN名とします。今回は “rnet” としました。

# example configuration for a dialup connection authenticated with PAP or CHAP
#
# This is the default configuration used by pon(1) and poff(1).
# See the manual page pppd(8) for information on all the options.

# MUST CHANGE: replace myusername@realm with the PPP login name given to
# your by your provider.
# There should be a matching entry with the password in /etc/ppp/pap-secrets
# and/or /etc/ppp/chap-secrets.
user "APNログイン名@APNパスワード名"
# MUST CHANGE: replace ******** with the phone number of your provider.
# The /etc/chatscripts/pap chat script may be modified to change the
# modem initialization string.
connect "/usr/sbin/chat -v -f /etc/chatscripts/gprs -T APN名"
# Serial device to which the modem is connected.
4Gモジュールの接続先デバイスファイル名(例:/dev/ttyUSB2)
# Speed of the serial line.
4Gモジュールとの通信速度(例:115200)
# Assumes that your IP address is allocated dynamically by the ISP.
noipdefault
# Try to get the name server addresses from the ISP.
usepeerdns
# Use this connection as the default route.
defaultroute
# Makes pppd "dial again" when the connection is lost.
persist
# Do not ask the remote to authenticate.
noauth

ラズパイのGPIOで接続指示するタイプの4Gモジュールの場合は、GPIOへの出力を開始します。以下、GPIO 6で、接続を開始する一例です。

#!/bin/sh

# Port of 4G-module on/off is enable.
echo "6" > /sys/class/gpio/export
sleep 0.1

# Set port of 4G-module on/off mode to output.
echo "out" > /sys/class/gpio/gpio6/direction

# Turn on 4G-module.
echo "0" > /sys/class/gpio/gpio6/value

② PPP接続実行

“rnet”は、/etc/ppp/peers/ に配置します。配置後、PPP接続コマンド”pon”を以下のようにたたきます。もちろんスーパーユーザで。

$ pon APN名

接続を確認するには、ifconfig をたたけばよいです。以下のようなにppp0とwwan0が現れればOKです。

ifconfig

ppp0: flags=4305<UP,POINTOPOINT,RUNNING,NOARP,MULTICAST>  mtu 1500
        inet 100.70.xx.xx  netmask 255.255.255.255  destination 10.64.xx.xx
     (中略)

wwan0: flags=4163<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST>  mtu 1500
        inet 169.xxx.xx.xx  netmask 255.255.0.0  broadcast 169.xxx.xx.xx
    (中略)

接続が確認できない場合は、エラー内容はsyslog に出力されているので、内容を確認します。尚接続解除は、”poff”コマンドをたたきます。

OS再起動時、PPPは自動接続されますが、ラズパイのGPIOで接続指示するタイプの4Gモジュールの場合は、rcスクリプトにGPIOへの出力を追加する必要があります。

③ インターネット接続確認

適当なドメインにpingで確認すればよいでしょう。PPP側のルーティング情報を、ルーティングコマンド”route”で以下のように追加設定します。

$ route add -net 0.0.0.0 ppp0

pingの結果は、以下のとおりです。初回すこし時間かかります。ping拒否のドメインもあるので、yahoo かgoole、自社ドメインが適当です。

$ ping yahoo.co.jp
	
PING yahoo.co.jp (183.79.xx.xx) 56(84) bytes of data.
64 bytes from 183.79.xx.xxx (183.79.xxx.xxx): icmp_seq=1 ttl=51 time=46.5 ms
64 bytes from 183.79.xx.xxx (183.79.xxx.xxx): icmp_seq=2 ttl=51 time=159 ms
  ( 後 略 )

④ 自動接続設定

ルーティング設定は、OS再起動するとなくなるため、OS起動毎に設定する必要があります。当方では、ppp接続後に自動呼出しされるスクリプト”/etc/ppp/ip-up”に追加しました。

#!/bin/sh
    (中  略  )
# if pon was called with the "quick" argument, stop pppd
if [ -e /var/run/ppp-quick ]; then
  rm /var/run/ppp-quick
  wait
  kill $PPPD_PID
fi

/sbin/route add -net 0.0.0.0 ppp0

# Donot exec this shell. exec from /etc/init.d.
##/home/remolog/remolog_main.sh &

また、当方ではラズパイの無線LAN側を、DHCPでなく固定IPでないとうまくいきませんでした。何かの誤りかもしれませんが、注記いたしておきます。

PPP接続側は、/etc/network/interfaces に以下太字部を追加します。

# interfaces(5) file used by ifup(8) and ifdown(8)

# Please note that this file is written to be used with dhcpcd
# For static IP, consult /etc/dhcpcd.conf and 'man dhcpcd.conf'

# Include files from /etc/network/interfaces.d:
auto rnet
iface rnet inet ppp
provider rnet

source-directory /etc/network/interfaces.d

これでインターネット接続までできました。実用時の問題と対策に続きます。

次記事

Raspberry Pi Zero WHに4Gモジュールを接続する1

コンパクトなRaspberry Pi Zero Wに、4Gモジュールを接続してIoTシステムを構築しました。Pi Zeroと4Gモジュールの接続について解説していきます。諸事情により4Gモジュールの機種は非公開ですが、USB接続、コアチップはQualcomm製ですのでHowToとしは汎用性があるかと。以下テーマに分けて解説していきます。

① ラズパイ側の対応

始めるまでしりませんでしたが、ラズバイは4G接続に予め対応しています。ただしOSは、Raspbian GNU/Linux 10 kernel 5.15あたり以降が良いようです。kernel 5.4では認識しませんでした。その上で以下のように最新化したほうがよいでしょう。尚当方ではsudoは使用せず、su – rootで常時スーパーユーザで作業しています。

apt update
apt -y upgradeapt dist-upgrade -y
rpi-update
apt autoremove -y
apt autoclean

4GとUSBでつなぐので場合、標準のserial通信は殺します。

systemctl disable serial-getty@ttyS0.service

4Gモジュールをラズバイに接続して、以下のコマンドをたたくと認識しているか確認できます。

②4Gとの初期チェック

まず初期チェック用に、”minicom”ユーティリティをいれます。以下コマンドです。

apt-get install minicom

4GモジュールとUSBがつながると、/dev/ttyUSB2 に通信ポートが割り当てられます。以下コマンドをたたきます。通信速度は11,520程度、echo backはONにします。

minicom -D /dev/ttyUSB2

4Gモジュールとのやり取りは、ATコマンドを使用します。ATコマンドは元々有線電話回線用の標準コマンドでしたが、無線用に拡張されて今に至っているようです。ネットで検索すると、いろいろ仕様がでてきます。”minicom”で以下の”AT ~”の部分たたき、以下のように応答が返ってくればOKです。SIMは差しておきます。

AT                            
OK
AT+CNMP=38
OK
AT+CSQ
+CSQ: 19,99
OK
AT+CREG?
+CREG: 0,1
OK
AT+COPS?
+COPS: 0,0,"NTT DOCOMO NTT DOCOMO",7
OK
AT+CPSI?
+CPSI: LTE,Online,440-10,0x1249,49418752,201,EUTRAN-BAND1,276,4,4,-74,-1005,-746
OK

最後のコマンドで “Low Power Mode” となる場合、PCから電源供給しているれようなら、5VのACアダプタから供給したほうがよいでしょう。

つづいてインターネット接続に続きます。

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VAIO S11:VJS112 のSSDをVAIO PRO Pg用256GBに換装する

カッコよいコンパクト最軽量ノートでVAIO S11:VJS112、出張用事務PC: VAIO X の Windows 8 がサポ切れなのでの代わりに導入。4G対応の程度の良い中古がなかなかなく、仕方なく Win10 Home / SSD128GB のものを購入し、SSD を換装したときの覚書きです。

SSD 換装

状態を確認します。ほとんど使われていなかったPCのようです。オリジナルスペックはこちら

SSDは M.2 というタイプです。先刻SSD換装して余ったVAIO PRO Pgのオリジナル256GBと同じ規格です。SSDのコピー方法はVAIO PRO PGの記事に書いてあります。コピー後SSDを取付け、特に問題無しです。

Homeだと bitblockerが使えないなど不便が多いです。Microsoft store から アップグレードライセンスを購入。13,824円でした。作業は特に問題無しです。

ms office2003のツールバー設定を他PCに移す

MS Office 2003の情報は、今やネット上に情報が少ないので、まとめておきます。

1)Execlの場合

ユーザフォルダから、特定ファイルを移動元から、移動先にコピーし、Execlで開きます。一回で出来ない場合があるようです。数回やってみます。

2)Wordの場合

他officeツールとことなり、レジストリ保持のようです。移動元PCでエクスポートして、移動先で登録します。

3)パワポの場合

特定ファイルのコピーだけで済みます。

VAIO Pro PG / VJPG11*を、500GB NVMe SSDに換装する

お出かけ用開発期「VAIO Pro PG / VJPG11*」は、Win11対応のCPU、RAM 8GB、指紋認証、made in Japan、軽量、中古なら3万円程度ととでも良いマシンです。しかしWindows、組込み、モバイルと開発環境をいれると、ストレージ容量はいっぱいです。SSDの換装に踏み切ります。

「CrysalDiskinfo」で調べると元々搭載されていたSSDは以下のとおりでした。

SAMSUNG MZNLM256HAJQ

日本設計と安さと以下のものを選びました。この時5,480円でした。

KIOXIA 内蔵 SSD 500GB NVMe M.2 Type 2280 PCIe Gen 3.0×4

購入してみて、最近のノート用SSDのインターフェイスも「SATA」と「PCIe」の二種類があるとは知りませんでした。オリジナルは「SATA」です。果たして使えるのでしょうか?

VAIOサポートサイトでは、別モデルですが近い年式では対応していると情報がありました。

「VJS111,VJS131,VJZ131*] PCI Express対応SSDについて」

VAIOを開けます。VAIO Zなどと比べると開けやすく、SSDも簡単に外せます。KBとのフラットケーブルはロック解除方法が分からず、外さず作業しました。SSDの長さもマッチしてました。

内容のコピーは、NVMe用のSSDコピー用アダプタは種類も少なく高く、コピーツール無しで以下のように行います。

  1. SSD-USBメモリに、Windows Backupで換装前のディスクイメージを作成。
  2. Window 11起動USBメモリを作成。
  3. SSDを差し替え。
  4. 上記2で、上記1をディスクイメージを回復させる。

BIOSは、新しいSSDを認識しているので、「PCIe」でも行けそうです。しかしOS起動時に「INACCESSABLE_BOOT_DEVICE」なるエラーが出ました。

Windows11の「自動復旧」が効いたのか、何回か再起動を繰り返していると治りました。SSDの認識状態は、以下のとおりです。転送速度は倍早いらしいですが気持ちそんな感じ。温度が高めなのが気になります。

専用のユーティリティが用意されているのもユニークです。

しかし、アプリテスト用Windows10英語は動作しなくなりました。古いWin10はドライバが対応していないのかもしれせん。こちらはOS再インストールしました。